※本記事では、あん摩マッサージ指圧師の教育課程で学ぶ手技療法の文脈において、「マッサージ」という言葉を用いています。
定期的にマッサージを受けると、胃腸の調子まで良くなったりします。
私自身、あマ指師の専門学校に通ってから実感していることです。
最近、学校で、
手技療法が内臓機能に影響を及ぼす可能性に関連して、
「体性内臓反射」という生理学的概念を学びました。
本記事では、
- なぜ皮膚や筋への刺激が内臓に影響し得るのか
- 手技療法と自律神経の関係をどう考えられるか
について、現時点で考え得る範囲の理論的整理を行ってみたいと思います。
手技療法と内臓の関係をどう考えるか
体性内臓反射とは、
皮膚・筋・関節などの体性刺激が、中枢神経系を介して自律神経活動に影響を及ぼし、
結果として内臓機能に変化をもたらす反射機構を指します。
皮膚や筋肉には、
- 触圧
- 伸張
- 温度
- 痛覚
などを感知する受容器が存在し、その情報は脊髄後角を経由して中枢へ伝えられます。
この過程で、
同一または近接する脊髄分節(胃ならば、みぞおちの皮膚など)に支配される
内臓の自律神経活動に影響が及ぶ可能性があると考えられています。
つまり、
「皮膚・筋(体性)と内臓(自律)は、
神経系を通じて相互に影響し合う関係にある」
ということですね。

このように体性内臓反射は、
体表からの刺激が自律神経活動に影響を及ぼす仕組みとして、
手技療法と内臓機能の関係を考える際の
基礎理論の一つと捉えることができます。
では次に、
なぜ手技療法によって自律神経が整うと考えられるのかを、
整理してみます。
なぜ手技療法で自律神経が整うと考えられるのか
体性内臓反射の考え方を踏まえると、
手技療法は「内臓そのものを治療する」というよりも、
自律神経の働きを介して内臓機能に影響し得る刺激として位置づけることができます。
現代医学的に見ても、
手技療法が内臓機能を直接「治す」と断定できる強固なエビデンスは多くありません。
しかし、自律神経調節という間接経路で考えると、一定の説明はできそうです。
① 皮膚刺激と副交感神経活動
穏やかな触圧刺激は、侵害刺激とは異なり、
副交感神経優位の反応を引き起こしやすいとされています。
副交感神経は、
- 胃腸の蠕動
- 消化液分泌
- 内臓血流
と深く関係しており、
リラックス状態が消化機能を支える基盤であることは広く知られています。
② 自分自身の体験から
私自身、この道に進む前は不規則な生活が続き、
消化器系の不調を感じていた時期がありました
(医療機関での正式な診断は受けていませんが、過敏性腸症候群のような兆候)。
当時は「多忙でいろいろ乱れているんだろう」くらいにしか捉えていませんでしたが、
あマ指師学生として自律神経や体性内臓反射を学んでいる今、
皮膚や筋への刺激が神経系を介して内臓機能に影響し得る、
というメカニズムを知れて、なんだかスッキリしました。
そして、あマ指師学生として、毎週、手技の実技実習の習慣ができたおかげで、
消化器系のお悩みは気づけば改善しており、
長らく苦手にしていた揚げ物を、今では美味しく食べられるくらいに食欲も改善しました。
これまでも月1~2回の頻度でリラクゼーションは通っていたものの、
日々の手技療法が、自律神経の調整に功を成したのかもしれません。

③ 環境調整としての手技療法
手技療法が内臓機能にどのように関与するかについては、
治療効果の有無を断定するのではなく、
その作用機序を丁寧に整理することが重要だと感じています。
あくまで、
- 神経系の過緊張を緩め
- 自律神経が本来の調節機能を発揮しやすい「環境」を整える
この位置づけで考えることが、
現代医学とも整合性が取れるのでしょう。
現状、あマ指師の保険診療の対象となる症状は、筋麻痺、筋萎縮、関節拘縮であり、
内科的な症状は対象になりません。
内科的な医学的根拠を得られる日が来ることを願っています。
組織レベルで取り組まねば難しい話ですが、更なるあマ指師の地位向上を目指したいものです。
経絡経穴との関係
東洋医学では、
体表刺激が内臓機能に影響するという考え方は古くから存在します。
経絡経穴の理論を、
そのまま現代医学に置き換えることはできませんが、
- 体表刺激
- 神経反射
- 自律神経調節
という視点で再解釈すると、
体性内臓反射という概念と重なる部分があるのだと思います。
今後は、
経絡理論と生理学的知見の「翻訳作業」こそが、
私の課題であり、可能性だと感じています。
まとめ
手技療法と内臓機能の関係は、
まだ十分に解明されているとは言えません。
それでも、
体性内臓反射や自律神経という視点を通せば、
「なぜ手で触れることが全身に影響するのか」を
一定の理論的枠組みで考察することができました。
また別の視点でも考え続けたいテーマです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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参考文献・参考資料
- Guyton, A. C., & Hall, J. E.
Textbook of Medical Physiology. Elsevier. - Standring, S. (ed.).
Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier. - 藤田恒太郎『人体解剖学』南江堂
- 内田さえ『生理学テキスト』文光堂
- 日本生理学会 編『標準生理学』医学書院
- 教科書執筆委員会『あん摩マッサージ指圧 理論と実際』医道の日本社
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