【手首の痛み】”ひねると痛い”は手首だけのせいじゃなかった──上腕から考える身体のつながり

心技体ログ

手根押圧の練習を続けるなかで、
ある時から左手首に、撓屈すると痛いな~といった痛みを感じるようになりました。

撓屈とは、手首を親指側に傾けることですね。

鋭い痛みではないけれど、繰り返す手技練習で蓄積されたような、
慢性痛に近い感覚でした。

今回は、自分の手首の痛みについて考察してみます。


気づき①:痛みの原因は、本当に「手首」だけなのか?

痛みを感じた部位は手首周囲でしたが、
手根押圧では手首だけが単独で使われているわけではないのでは?と思いました。

手根押圧の動作では、

  • 上腕で圧を支え
  • 前腕で方向を調整し
  • 手関節で微調整を行う

というように、上肢全体が連動して力を伝えています。


気づき②:上腕からほぐしたら手首の痛みが緩和した

そこで今回は、「手首局所」ではなく、上肢全体を一つの連動したユニットとして捉えて
指圧してみることにしました。

上腕

まず上腕では、
三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋の起始部および停止部を中心に、
筋腹だけでなく骨際を意識しながら、持続圧で指圧を行いました。

※ほかに上腕の主要な筋肉である烏口腕筋と上腕筋を意識するのを忘れていました。

筋の起始停止部への圧刺激の効果については、こちらの記事で考察しています。

三角筋の走行

上腕二頭筋の走行

上腕三頭筋の走行

特に、
・肩関節周囲にある筋の付着部
・肘関節近くの筋腱移行部

では、押圧時に独特の抵抗感や圧痛があり、
上のほうも凝ってるな~と改めて気づきました。

筋の走行を見ると、
上腕二頭筋・上腕三頭筋(・上腕筋)の停止部は前腕にあり、
これだけでも上腕から関係していそうなことが分かります。

前腕

次に前腕では、痛みが出ている主訴の部分なので、
屈筋群・伸筋群を起始停止部のみに限定せず
肘から手関節に向かって、まんべんなく指圧を行いました。

その際、
解剖学的な筋走行だけでなく、
経絡ライン上で触知される反応点も一つの目安とし、
硬さや痛みの変化を感じる部位を選びながら圧を加えました。

手首には、「原穴」と呼ばれる重要な経穴が集中しています。
肺経、大腸経、心経、小腸経、心包経、三焦経・・・
東洋医学的なことについては、また別の記事で紹介したいと思います。

前腕の前面:浅層の屈筋群の走行

前腕の前面:深層の屈筋群の走行

前腕の後面:浅層の伸筋群の走行・・・割愛( ^ω^)

前腕の後面:深層の伸筋群の走行・・・割愛( ^ω^)

前面にある、浅層の屈筋群の起始部はすべて内側上顆(いわゆるファニーボーン)であり、
骨の際に持続圧を入れると、じわ~っと硬さが緩んでいくのを感じました。
かなり張っていたようです。

また、後面にある、浅層の伸筋群の起始部のほとんどは外側上顆(肘の手前)ですが、
ここの筋の響き具合は屈筋群ほどではありませんでした。

この指圧を1週間ほど継続したところ、
これまで動作時に出ていた手首の痛みが徐々に軽減し、
日常動作の中で「ひねると痛い」と感じる場面が減っていきました。

気づき③:左右差は残っていた

ただ、ここで一つ気になることがありました。

左右の手首を見比べてみると、

左手首は、

  • やや回内位(内側に回す動き)が強い
  • 背屈方向(上の写真のような反り)の可動域が小さい

痛みは軽減してきているのに、
関節アライメント(配列)と可動性の左右差は、まだ残っているようでした。

回内位が強いのは、
前述したように、前面の屈筋群の緊張が強かったためだろうと思いましたが、
よく手関節を観察すると、左の橈骨手根関節が、回内位にずれてる?!
と気づきました。

ということは、背屈しにくいのもそれが影響しているかもしれません。



生理学的にどう考えられるか(考察)

① 近位部の緊張と関節負荷の関係

前腕・上腕といった近位部の筋緊張が高い状態では、
手関節運動時に関節への剪断力や圧縮力が増大しやすいようです。

上腕〜前腕への指圧によって
筋緊張が低下した結果、
手首周囲の疼痛が軽減した可能性
があります。


② 関節可動性とストレス分散

関節可動域が制限されると、
本来分散されるはずの負荷が、
特定部位に集中しやすくなるようです。

特に手首は

  • 回内・回外
  • 掌屈・背屈

という複合運動を担う関節であり、
わずかな制限が反復動作時の負担増加につながると考えられます。


③ 再発リスクの確認

痛みの軽減=根本的な問題解決、とは言い切れないと思いました。

今回のように

  • 痛みは軽減
  • しかし可動性・アライメント差は残存

という状態は、
再発リスクがまだ存在しているサインとも捉えられました。

橈骨手根関節の左右差は、これまでのアライメントなのか、
はたまた最近の手根押圧動作による影響なのか、
定かではありませんが、今後も注意していこうと思いました。


まとめ

今回の体験から感じたことは、

  • 痛みのある部位だけを診ない
  • 動作に関わる“ライン全体”を見る
  • 特に関節という「つなぎ目」を大切にする

です。

人の関節も水道管と同じで、
衝撃を受けてやられやすいのは、
管本体(=骨)よりも継輪部分(=関節)だなと思いました。

解剖生理学は、物理学でもありますね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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参考文献・参考資料

  • Guyton & Hall:医学生理学.Elsevier
  • 坂井建雄 監修:カラー図解 人体の正常構造と機能.日本医事新報社
  • I.A. Kapandji『関節の生理学Ⅰ 上肢』
  • Donald A. Neumann『筋骨格系のキネシオロジー(Kinesiology of the Musculoskeletal System)』

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