遅ればせながら、先月3月7日~8日に筑波大学で開催された日本東洋医学系物理療法学会
に参加して得た情報について、ようやく書きたいと思います。
「これからのあマ指師は、どんな役割を求められていくのだろうか。」
そんなことを考えながら参加した学術デー。
まだ学生の立場なので断定的なことは言えませんが、流れが少し変わりつつある感覚がありました。
今回は、あマ指学生の視点から
「現場に関係がありそう」「今のうちに意識しておきたい」
と感じたポイントを整理してみます。
①【診療報酬】リンパ浮腫治療が200点→500点へ
令和8年(2026年)の診療報酬改定で、
リンパ浮腫複合的治療料が200点から500点へ引き上げとなりました。

単なる点数の変更ではなく、
- 医療としてのマッサージのニーズの増加
- 治療としての評価の見直し
といった背景があると考えられます。
気づき
- リンパドレナージュの重要性は今後さらに高まりそう
- 施術者要件の確認は必須
- 実施できる人材とそうでない人材の差が広がる可能性
今のうちから基礎に触れておく価値はありそうです。
②【慢性疼痛】“症状”から“疾患”へ
2019年に、世界保健機関 が発表した ICD-11 において、
慢性疼痛は独立した疾患として位置づけられました。
日本では2027年の適用に向けて、ガイドライン改訂が進んでいます。
気づき
- 「痛み=症状」という前提が見直される
- 多角的な評価・介入が求められる
- 手技療法の関わり方も整理されていく可能性
手技療法が医療の文脈の中で語られる場面は、今後増えていきそうです。
③【臨床のヒント】顔面神経麻痺と指圧
末梢性顔面神経麻痺に対して、
浪越式基本指圧の顔面操作は相性が良いかもしれないと感じました。
ただし、
- 鍼や温熱との併用では報告あるが、
- 手技単独でのエビデンスは限定的
という科学的に証明するにはまだ課題がありそうです。
気づき
- マッサージの医療的効果を断定できる段階ではない
- しかし適応の可能性はある
- 統合的なアプローチが現実的
今後の研究や臨床報告によって整理されていく部分だと感じました。
※なお、顔面は繊細な部位のため、衛生面の観点から自分なら手袋を使用したいと思います。

④【耳鼻咽喉科】めまい・耳鳴りは全身で捉える
耳鼻咽喉科医の講演では、
めまい・耳鳴りは耳だけの問題に限らないという点が強調されていました。
- 自律神経
- 血流
- 筋緊張
など、複数の要因が関与するケースも多いとのことです。
気づき
- 原因が単一でないケースが多い
- 局所だけでなく全身的な視点が必要
- 評価の幅が重要
東洋医学的な「全体をみる視点」を、講演された先生も期待されていました。
⑤【卒後教育】臨床と研究の共通点
卒後教育の話の中で印象的だったのは、
臨床と研究のプロセスが本質的に似ているという点です。
- 課題設定
- 仮説構築
- 介入
- フィードバック
気づき
- 臨床家こそ研究に適性がある可能性
- 発信者の立場(資格、学位の有無など)が影響力に関わる
- 学位は一定の価値を持つ
将来的には「臨床+言語化」の力がより求められそうです。
まとめ|感じた方向性
今回の学術デーを通して、
手技療法は徐々に制度・学術の中で整理されていく段階にある
と感じました。
まだ学習途中の立場ではありますが、
- 需要の増加
- 研究の進展
- 制度の変化
こうした流れの中にいること自体は、前向きに捉えています。
ハッキリ言って、情報量は多い。
けど、選りすぐっていけばいいとも思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献・参考資料
- 診療報酬改定資料(令和8年)
https://pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-reiwa-8/department/4905 - 慢性疼痛診療ガイドライン改訂関連資料
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/174764 - 鍼灸柔整新聞記事
第51回日本東洋医学系物理療法学会学術大会・総会 「痛み」テーマに鍼灸手技療法を考える
※ 本記事内に掲載している図・画像は、各素材配布サイトの利用規約を確認のうえで使用しています。

コメント